企業における中央研究所

     研究者の本分として未知に取り組むことは大事ではないか。2018年2月化学と工業の、導電性高分子の導電率を200倍にした、記事を拝見した。その中に前例のない取り組みにも関わらず前向きに開発を続けられたのはなぜだったのだろう、という質問があった。不思議な質問だと感じた。研究者が、主に、前例のあるものに前向きと前提が置かれている。昨今の社会への応用を意図した研究、の影響だろうか。そうだとしたら、問題である。なぜなら研究者が短期的な応用を主に動く場合、その応用である技術、工業も小ぶりになるからである。それは企業と大学で変わりはない。

     多くの大企業は中央研究所を設け、工場付設の研究所や開発グループは別に置いた。企業は営利団体であるので一見夢想は許されない様に思える。しかしながら、長い目で見た収益ではこのインプット必要である。ただし、もはや企業内でそれを持つ必要はない。

 

    今企業における中央研究所の意義が問われている。