日本のものつくりの課題 - 伝える

    日本のものつくりの課題は引き継ぎである。なぜなら日本の働く人の約7割を占める中小企業の課題であるからだ。中小企業は文字通り大きくない企業である。したがって人材の厚みが薄い場合が多い。少子化により後継者も不足しがちである。

     運良く若手を獲得できたとしても問題が起こることがある。それはコミュニケーションであり、特にベテランと若手との間にある。上記の通り、新人さんに近い従業員との経験や年齢の差はどんどん拡がっている。このとき権威勾配によりコミュニケーション難しくなる。権威勾配とは元々は飛行機のパイロットと副パイロットとの間で使われた概念である。権威勾配がキツイと情報は集まりにくく、ユルいと統制が効かなくなる。今は前者に軸足がある。

    この権威勾配を解消するために必要なのはフィードバックである。なぜなら承認欲求を満たすからである。人は無視されると承認されたと感じないし、逆も然りである。若手が何か挑戦したら、質問してきたら、まず何かを返す。これは重要である。

    確かに上記以外にも伝えること自体がわからない(整理されていない)、や定型業務の教育が不十分だなどと課題は他にもある。ものつくり白書では大企業の27%、中小企業の10%以上は何を伝えて良いかわからないと答えている。しかしコミュニケーションの改善はPCでのOSであり、まずはこの動作が正常に行われることが重要である。このように、製造業における課題としてコミュニケーション改善が求められている。