水素エネルギーシステム 2017 p228

水素吸蔵合金は常温常圧で水素吸蔵が可能である特徴をもっている。

従来の水素吸蔵合金は、消防法上で、水素吸蔵状態で、第2類(可燃性固体)、第3類(自然発火性物質および禁水性物質)に該当しており、指定数量や取扱者の監督や届出の義務があった。

そこで下記の対策を実施した。

まず、水素吸蔵合金粉末と樹脂を複合化した。これにより、合金粉末をタンク内に均一に分散でき、高密度化できた。加えて、着火性、引火性試験より、消防法上の指定を外れることになり、多量吸蔵において、簡便で安全性高いタンクを準備できたことを確認した。

システムについて、従来は水素放出速度が遅い問題があった。そこで、まず、構造は同じであるが、タンク径を太くすることで、吸蔵量を増やした。次に、アルミ製フィンを有するタンクにより、熱伝導性を改善した。放出速度が約20%改善した。

最後に水素吸蔵、放出時に体積が変化することを利用して 直接水素吸蔵量を測定できる残量センサーを開発中である。