賛成 化学と工業2011.1

 日本は地の利を活かした共同事業を起こすことで成長を取り戻すことができる。この考え方は正しい。なぜなら画一化された製品の拡販やある考え方の下に群衆が集まる時代は過ぎたからである。画一化された製品は個々人の嗜好に合わせられ、インターネットを通して多様化した考えが世界中に広まっている。

 一方で、地の利を活かした共同事業は十分条件ではなく、必要条件である。なぜなら皆が考え、実践し得るためである。まず大切なことは日本の強みを整理して磨くことである。その上で各国と共通の枠組みの中で共に生きていく。これは例えばデジタルカメラ産業と類似している。つまり重要技術はブラックボックス化して、それ以外は標準化することである。

 近江商人がいう三方よしで、日本が今一番に実践するべきは売り手よしかもしれない。